東京ボブディラン/CONTENTS OF REPORT
-BOB DYLAN & PAUL SIMON IN CONSERT-
今年の2月、New OrleansとNashvilleにBobDylanのショーを観に行き、ついでに交通事故にも巻き込まれ、ようやく体調も回復してきたところに、PaulSimonとのジョイントライヴがCA州で行われるという情報が入って来た。
今回はペダルスティール担当のBucky Baxter がバンドを脱退し新たにCharlie Sextonがギターで参加しての初ツアーでもあるし、共演するPaul
Simonのファンでもあったので前回から間もないが行くことにした。
L.A.⇔東京の航空チケット代は、東京⇔九州と同じか安いくらいだし、コンサートのチケット代も日本公演の半額以下だし、泊まるモーテル代もこれまた日本のビジネスホテルより格安だし、CA州追っかけは日本公演のツアーを追っかけるよりも断然割安だ。
しかし今回は大御所二人の共演のせいか、なんとチケットが$125と超高値であった。
6月19日
昼の便で成田を出発し同日の早朝L.A.に到着する。
ちょっと風邪ぎみで出国したのだが、飛行機を降りた頃にはすっかり悪化してしまっていた。
まずは、6/20(日)のライヴ会場があるAnaheimに行く為にエアポートバス乗り場を捜す。
Anaheimといえば本場ディズニーランドがある所なので、空港からもバスが出ている。
50分くらい待って漸くバスが来た。
バスは約1時間程で到着、値段は$14。
コンサート会場まで歩いて行けるモーテルに泊まろうとしたが、近くに食事するところが無かったので、ディズニーランド近くのモーテルに宿泊することにした。
チェックインを済ませ、近くのセヴンイレヴンで風邪対策に青リンゴなどを買い込み休んだ。
6月20日
ライヴ当日朝、風邪がまったく直ってないのにショックを受ける。
う〜ん、ちきしょう!ぜんぜん楽しくないじゃないか!
日本から持ってきた薬がきれたので、アメリカの風邪薬を購入。
さすが巨体用なのか、幸いこの薬がよく効いて、夕方にはなんとか会場であるARROWHEAD POND OF ANAHEIMまで行けた。
結構時間ぎりぎりに着いたので、すぐ中へ入った。
この日のチケットは、$125と高かったが、前から14列目でほぼステージ中央の席が取れていたので良しとしていた。
ステージにセッティングされていたのはDylanバンドのものではあったが、いつも向かって右側にセッティングしてあった敬愛するBucky氏のペダルスティールの姿はなく、その代わりにLarryさんのペダルスティールが左側にセッティングしてあった。
そうか、もうBuckyはいないんだな、、、わかっちゃいたがやっぱり寂しい。
1999年に入り、またバンドがより素晴しい演奏をしていただけに、とっても残念だ。
しかし、Don't Think Twice It's All Right!
ここは、NEWバンドに期待しましょう。
いよいよ開演予定より5分遅れでメンバー登場!
1. Hallelujah, I'm Ready To Go (acoustic)
2. Mr. Tambourine Man (acoustic)
3. Masters Of War (acoustic)
4. It's All Over Now, Baby Blue (acoustic)
5. Tangled Up In Blue (acoustic) (with harp)
6. All Along The Watchtower
7. Just Like A Woman (with harp)
8. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again
9. Not Dark Yet
10. Highway 61 Revisited
(encore)
11. Like A Rolling Stone
12. Not Fade Away
Dylanは黒スーツに白シャツ、黒ネクタイと冠婚葬祭スタイル。
そして新メンバーのCharlie氏はギルド社のアコギを抱え、LarryさんはBucky氏にかわりマンドリンを持って登場し、NEWバンドは軽快なカントリーナンバーからスタートした。
おっ、いい感じではないか!
御大が弾くペケペンギターは相変わらず健在だったのだが、今回はなんと言っても、ギターソロの後一旦ギターを降ろしてハープ用のマイクを左手で持ち、右手でアクションをしながら吹くハーモニカが大いに盛り上がった。
しかも最初にハーモニカが入ってくるタイミングが、常人ではないところがまた笑えたが、ハーモニカを吹く御大の姿を見ていたら、やっぱりわざわざ見に来て良かったなとしみじみ実感してしまった。。
御大の挨拶は「さんくす、えぶりばでぃ」から「さんくす、れでぃーすあんじぇんとるまん」に変わっており、機嫌よさそうに何度も言っていた。
このバンドでは新人のCharlie氏は、全体的にサイドギターに徹しており、まだバンドになじんでいないのは否めなかったが、アコセットではストロークの音厚がまし、またそれに反応するかのように御大が自由自在に歌った2.は素晴しい演奏だったし、6.などは彼のアコギから始まるバージョンでカッコ良かった。
御大も気を使ってか、彼に合図や目くばせするシーンが多かった。
Bucky氏にかわり4. や7. などで見られたLarryさんのPスティールは、結構忠実にメロディーを弾くタイプでわりとキャッチーな感じがしたものの、とにかくBucky氏の穴をうめるべくLarryさんはいろいろと頑張っているのだ。
あっしの期待していた曲は、殆どやってはくれませんでしたが、個人的にハイライトだったのは、かねてから聞きたかった9. Not Dark Yetで、とても美しい演奏と表情豊かな歌が感動的だった。
今日は、最近ではめずらしくTOOMからはこれ1曲のみだった。
アンコールは1997年の来日公演以来久々に聞いた(Charlie氏がMike Bloomfield氏のギターフレーズを弾いていた)11.
で始まり、続いて盛り上がったまま12.に突入し、アコセットもなく、2曲で終わってしまった。
と思いきやここで御大の紹介で、いよいよPaul Simon登場!
- 13. The Sound Of Silence (Duet with Paul Simon - Bobonharp)
- Simon氏 がメロディーをE.ギターで弾き、合の手で御大がペケペンギターを入れるという漫才スタイルのイントロでスタートし、転調して歌に入り一応ハモッテいるようだがそうで無いような歌が終わると、御大のあのハーモニカが入ってくるという、もうあんたら好きにしてちょうだい!と思わずそう言いたくなるバージョンで、楽しまさせて頂きました。
しかし曲が超メジャーな上、存在感のあるこの二人のツーショットということなので、観客はやっぱり異常に盛り上がった。
- 14. I Walk The Line/Blue Moon Of Kentucky (Medley with Paul Simon)
- Larryさんがフィドルを担当し(この人は何でも弾けるのか)カントリー色満載の演奏でした。
会場内では、笑い声もでていたが、その原因はわからず。
- 15. Knockin' On Heaven's Door (Duet with Paul Simon)
- ラストはこの曲で(自分としましてはForeverYoungをやってもらいたかった)、P.Simonがヴァースを歌う場面などもあったが、サビの繰り返しの部分では、ただでさえ外すBobのヴォーカルの後追いでP.Simonが歌うものだから、いいのか悪いのかもうよくわからない状態で幕を閉じたのでありました。
お疲れっす!
次のP.Simonのステージまで結構インターバルがあった。
隣に座っていた白人カップルが、熱心に今日のセットリストを思い出しながら紙に書いていたのだが、曲順が違ったり曲名を思い出せないでいる部分が結構あったので、教えて一緒に完成させた。
もしかすると、この人達はBobLinksにセットリストを報告する人達なのかな?と思ったが、そんな人達だったら、わたくし如きに聞かなくても済むはずだろうとも思い確かめはしなかった。
PaulSimonは、ブラスも入ったビッグバンドを引き連れ(ドラムはSteve Gadd)、質の高い演奏を続け、おなじみの曲も多かったのでこれもまた楽しめた。
チケット代が高かったのは、このバンドのギャラのせいかな?などとゲスなことを考える。 アンコールでThe Boxerをやったので、もしやと期待したが御大は多分帰ってしまったのだろう、登場することはなかった。
コンサートが終了した時点でPM11:00を過ぎており、もうバスも走っておらずしかたがないので、歩いている人など一人もいない道を近くのモーテルまで歩いて行き、そこでタクシーを呼んでもらい、自分のモーテルまで帰った。
夕食を何処かで取りたかったのだが、食事をする店ももう全部閉まっており、またセヴンイレヴンで買い物して済ませた。 明日はここをチェックアウトして、次の公演のためにDownTownまで行かなければならない。
まだ風邪も直っていなかったので、無事にライヴが見れた事に感謝して、薬を飲んでとっとと就寝する事にした。
しかし、わざわざAnaheimまで来てコンサートの時以外は、殆ど寝ていた事になる。
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6月22日
HOLLYWOOD BOWLは大きな野外会場で、ロケーションは最高だ。
Hollywood近辺でDylanを観るのは、1997年のエル・レイ・シアター公演、1998年の UCLAでのJ.Mitchell、V.Morrisonとのジョイントライヴに続き3度目である。
今日は、DownTown滞在中お世話になってる友人と一緒に観に来ている。
野外なので弁当を持って来てる人が多く、あちこちで小さなパーティーが開かれていた。
ホットドッグとビールを片手に席を捜す。
今回は$40の席だったのでいい席ではなかったが(単独ライヴだと、$40だと多分いい席)まわりの景色も含めて眺めは良かった。
コンサートの順番は日替わり交代という事で、今日はP.Simonのステージからスタートした。
スタート時まだ上空は明るかったのだが、アンコールが終了する頃にはすっかり暗くなっており、前回とは反対にP.Simonとそのバックバンドに一人で加わるかたちでDylan登場!
1. The Sound Of Silence (Duet with Paul Simon - Bob on harp)
2. I Walk The Line/Blue Moon Of Kentucky (Medley with Paul Simon)
3. Knockin' On Heaven's Door (Duet with Paul Simon)
お〜、ガットのドラムでディランが歌っている!
曲目曲順とも前回と同じだが、バンドが違うせいもあるのか、今日の方が出来が良いように感じた。
1.もハモッテるのが何とかわかったし、ハーモニカも胸にしみた。
ただ3. は、At Budoukanの様にレゲエ風にアレンジされていて、個人的には今の御大の歌にはあまりあってないようにも思えたが、新鮮さは抜群。
御大は、一旦引き下がりインターバルがあって、前回と同じ衣装に着替えて再登場。
1. Hallelujah, I'm Ready To Go (acoustic)
2. Mr. Tambourine Man (acoustic) (with harp)
3. Masters Of War (acoustic)
4. It's All Over Now, Baby Blue (acoustic)
5. Tangled Up In Blue (acoustic) (with harp)
6. All Along The Watchtower
7. Just Like A Woman
8. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again
9. Not Dark Yet
10. Highway 61 Revisited
(encore)
11. Love Sick
12. Like A Rolling Stone
13. Not Fade Away
Charlieのギターで始まる11. Love Sickが増えただけで、あとは曲目曲順とも6月20日と同じだった。
寂しかばい!
大抵のミュージシャンのライヴはそういうものなのだが、Dylanの場合は毎日大幅に変わる事が多いので、ファンはつい期待してしまいがちなのだ。(新しいバンド編成になったので、まだそんなに変えられないのはしょうがないのだが。)
7.が始まる前に、違う曲の出だしをちょっと演奏したのだが、これまたすぐにやめて、7.にかわった。
いったい、あの曲は何だったのだろうか?やって欲しかったな〜。
ライヴの印象はAnaheim公演と大差は無いが、御大は今日も「さんくす、れでぃーすあんじぇんとるまん」を機嫌よさそうに多発し、ペケペンギター&ハーモニカで盛り上げ、BOBダンスを披露し、聞きたい人ひとりでもあらば、何処にでも行って歌いますぞといわんばかりに、ネバーエンディング芸人ぶりをますます精進なさっておられた。
アンコールに於いては、客がアルバムBEFORE THE FLOODのジャケ写のようにライターに火を灯して迎え、全員でLike A Rolling
Stoneを合唱するという場面があり、印象的だった。
しかし、歌詞の内容を考えるとへんな気もしたが、みなさん楽しそうに歌っていた。
今回BobDylan、Paul Simon 共にお互いのステージは素晴しかったが、共演のパフォーマンスについて言えばファンサービスにはなったものの、それ以上特筆するものは今のところなかった様にも思えた。
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コンサート終了後、東京の下町ボブ・ディラン研究家であるT氏に依頼されていたTシャツなどのディラングッズを買った。(余談だが、彼のコレクションは凄いぞ!)
最初は6/22、23とHOLLYWOOD BOWLで2DAYSコンサートが行われる予定があったので、この時期に照準を合わせたのだが、残念な事に6/22だけとなってしまった。
よって、明日一日がOFFになり、24日に帰国する事になった。
6/25、26にもCA州でコンサートがあり、観たいのはやまやまなのだが、仕事の都合もあるし、チケット代もいつもより高いし(ブライアン・セッツァーの時は安かった)、そんなに調子に乗って何公演も見てもいられないのだ。
予定どおり25日に無事帰国した。
今回、Bucky氏が脱退したのは非常に残念だったが、ネヴァーエンディングツアーはまた新しく生まれ変わりスタートしている!
Thank you Bob! Hallelujah, I'm Ready To Go!!
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